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あなたの聖書理解には、どれほどの厚みがありますか?

聖書カウンセラーは神のみことばから答えを示すことができなければなりません。そのためには、聖書をよく理解しておく必要があります。

私はこの20年間、聖書カウンセラーの育成に携わるという特権にあずかってきました。多くの学生は、教室の中では聖書カウンセリングの理論を熱心に受け入れます。しかし、架空のケースを用いたロールプレイで実践しようとするときや、その後、経験豊富なカウンセラー(例えばACBCフェローなど)の監督のもとで実際の相談者にカウンセリングを行おうとするときに、壁にぶつかってしまうのです。

何百時間にも及ぶカウンセリングを聞き、何千件ものケース報告を読んだり聞いたりしてきた結果、私は一つの確信に至りました。多くのカウンセラーの聖書は、あまりにも「薄すぎる」のです。聖書カウンセラーとして人を適切に助けるためには、もっと「厚みのある聖書」が必要です。ここで言う聖書の「厚み」とは、カウンセラーが聖書をどれほど深く理解し、それをカウンセリングの中で、相談者の必要に応じて適切に用いることができるか、ということです。

いくつかの点で、カウンセリングは説教よりも難しい面があります。説教者は説教に向けて十分に準備し、説教がどの方向に進むかを自分で定めることができます。一方、カウンセラーも面談に向けて準備をしようと努めますが、面談の流れを自分の思い通りに進めることはできません。相談者が新たな問題を持ち出すこともあれば、準備していた内容とは関係のない突然の危機に直面し、すぐに助けを必要としていることもあります。だからこそ、カウンセラーは神のみことばから答えを示すことができなければなりません。そのためには、聖書をよく理解している必要があるのです。

経験の浅いカウンセラーによく見られる失敗の一つは、一見すると正しく、聖書的に聞こえる答えを示しているようで、実際には聖書そのものを引用していないことです。私は、自分が監督しているカウンセラーたちに、いつもこう伝えています。私たちの権威は、カウンセラーとしての立場や個人の知恵にあるのではなく、誤りのない神のみことばにこそあるのだ、と(2テモテ 3:16–17)。相談者が自分で聖書を読み、神ご自身が彼らの問題について語っておられることを確認することは、とても重要です。もし相談者が、聖書から示されたことを受け入れたくないと思うなら、その反論の相手はカウンセラーではなく、神ご自身なのだと気づく必要があります。

神のみことばには力があり、人を変えます(詩篇 19:7–11)。私は30年以上前、自分の信仰について疑問を抱いていたシンガポール出身の看護師と面談したときのことを、今でも鮮明に覚えています。彼女が疑問に思っていた真理について、私は1時間近く、自分なりに最善を尽くして説明し、たとえも用いながら話しました。しかし、何の進展もありませんでした。そこで最後に、彼女にローマ人への手紙 3章の一部を読んでもらいました。

聖書の本文を読んだ直後、彼女の目は開かれ、私がそれまで説明しようとしていた福音の中心となる真理を、彼女自身がはっきりと言い表すことができました。それ以来、時間の都合で、相談者に聖書の本文を読んでもらわず、聖書の真理を自分の言葉で要約して伝えたくなるとき、私はこの経験を思い出します。相談者にその聖書箇所を開いてもらい、それを声に出して読んでもらうことには、十分な価値があるのです。

聖書に「厚み」をもたせるための5つの方法

1. セッション中に、適切な聖書箇所を探す努力を惜しまない

カウンセリングの最中には、相談者に読んでもらう適切な聖書箇所を見つけるために、できる限りのことをしてください。どの箇所を開けばよいか分からないときは、その場で、少し時間を取って聖書箇所を探しましょう。聖書箇所を検索できるアプリやソフト、特定のテーマごとに聖書箇所をまとめた本やノートなど、必要なときに使える資料や道具を手元に用意しておきましょう。箇所の章節が思い出せないときは、インターネットで聖句を検索しても構いません。

2. セッション後に学び直す

セッションを終えた後、自分の聖書理解が十分ではなかったと感じたなら、時間を取って神のみことばを調べ、学びましょう。そうすることで、その相談者との次回のセッションだけでなく、将来、他の相談者と面談するときの備えにもなります。そのセッションでの失敗を通して学んだことは、生涯忘れないほど、記憶に深く刻まれるかもしれません。

3. カウンセリングでよく用いる聖書箇所のリストを作る

カウンセリングで頻繁に参照する聖書箇所を、自分なりにリストにまとめておきましょう。私は何年も前に、「聖書カウンセリングでよく用いる約100の聖句」というリストを作成し、学生たちと共有しています。

4. 聖書の各書を注意深く学び、文脈の中で解き明かす

私にとってカウンセリングの最良の備えとなったのは、30年以上にわたり、聖書の各書を順を追って説教し、教えてきたことです。文脈から切り離した聖句だけに頼る聖書カウンセラーは、その人の聖書が極めて「薄く」、みことばを文脈に沿って忠実に、また十分に解き明かすことができない場合が少なくありません。たとえば、エペソ 5:25が「夫たちよ。キリストが教会を愛されたように、妻を愛しなさい」と教えていることを知っているかもしれません。しかし、エペソ 1〜3章が教えている、キリストが私たちに示してくださった愛と、エペソ 4章が教えている、キリストが私たちのためにしてくださったすべてのことを踏まえて歩むことを土台にして説明するなら、その聖句の説明ははるかに豊かなものになります。

5. 聖書全体が福音とどのようにつながっているかを理解する

よみがえられたキリストは弟子たちに、旧約聖書全体がご自身とそのみわざを指し示していることを明らかにされました(ルカ 24:25–27)。あなたが用いるすべての聖書箇所を、聖書の中心テーマである「贖い」へと結びつけることができるでしょうか。神のみことばに従うことは重要ですが、私たちのカウンセリングが、単なる「道徳主義」や「律法を守ること」に終わってはなりません。私たちが神の基準に達することができないという事実は、私たちを絶えずキリストへと立ち返らせます(ガラテヤ 3:24)。キリストとの結合によって、私たちは罪の奴隷であった状態から解放され、よみがえられたキリストと結ばれた「新しく造られた者」として生きることができるようになります(ローマ 6:1以降)。

私たちには、みことばに満ち、福音を中心としたカウンセリングを行う聖書カウンセラーが必要です。自分の聖書に厚みをもたせていくことは、生涯をかけて取り組むべき課題なのです。

「あなたは務めにふさわしいと認められる人として、すなわち、真理のみことばをまっすぐに説き明かす、恥じることのない働き人として、自分を神に献げるように最善を尽くしなさい」(2テモテ 2:15)。

「これらのことに心を砕き、ひたすら励みなさい。そうすれば、あなたの進歩はすべての人に明らかになるでしょう。自分自身にも、教えることにも、よく気をつけなさい。働きをあくまでも続けなさい。そうすれば、自分自身と、あなたの教えを聞く人たちとを、救うことになるのです」(1テモテ 4:15–16)。

【翻訳に関する留意事項】 本記事の日本語訳は、認定聖書カウンセラー協会 (ACBC)の許可を得て作成されました。ACBCは本翻訳の作成を承認しておりますが、翻訳の正確性、完全性、あるいは表現の適切性については、一切の責任を負いません。 内容に相違がある場合は、英語の原文が公式な正本として優先されます。原文はこちらからご覧いただけます。

Translation Disclaimer: This translation is produced with permission from the Association of Certified Biblical Counselors (ACBC). While ACBC has granted permission for this translation, they are not responsible for the accuracy or quality of the translation. The original English text remains the official version and can be found here: How Thick Is Your Bible?

聖書:新改訳2017 ©2017 新日本聖書刊行会

  • ジム・ニューハイザー(Jim Newheiser)は、シャーロットにある改革派神学校(Reformed Theological Seminary)のキリスト教カウンセリング・プログラムのディレクターであり、同校のクリスチャン・カウンセリングおよび実践神学の准教授を務めています。ニューハイザー博士は、米国認定聖書カウンセラー協会(ACBC)の理事およびフェローを兼任しています。

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