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神はすべてを支配される

神の主権を理解することは、人に希望をもたらす最も確かな方法の一つです。

カウンセリングとは通常、人が抱える問題の解決を助ける働きです。人々が私たちのもとを訪れるのも、そのためです。彼らは困難に直面し、助けを求めているのです。それは、他者との葛藤や喪失、罪との闘い、苦しい感情、あるいは自分一人では解決できない状況かもしれません。人は助けを必要としています。そして、同時に希望も必要としています。ときには、助け以上に希望を必要とすることさえあります。特にカウンセリングの初期には、その傾向が強く見られます。

神の主権を理解することは、人に希望をもたらす最も確かな方法の一つです。クリスチャンが、神はすべてを支配しておられ、決して居眠りしておられる方ではないと信じるなら、希望を持つことができます。しかし、神の主権を信じていないなら、すなわち試練の中に神の御手を見ることができなければ、希望を持つことは難しくなります。

神はご自身の栄光を第一にされる

彼らが何より理解しなければならないのは、次のことです。宇宙の主権者であり、創造主であり、すべてを保っておられるお方は、ご自分の子どもたちの人生からその問題を取り除くことも、あるいは初めから起こらないようにすることもおできになります。しかし、多くの場合、神はそうなさらないことを選ばれます。それは、神がご自身の栄光を現し、試練を通してご自身の性質を彼らのうちに形づくられることを、より重んじておられるからです。

希望を持つためには、神が自分たちの問題よりもはるかに大きい方であることを理解し、心から信じなければなりません。「信仰がなければ、神に喜ばれることはできません。神に近づく者は、神がおられることと、神がご自分を求める者には報いてくださる方であることを、信じなければならないのです」(ヘブル11:6)。

神は、気難しい配偶者や反抗的な子ども、理不尽な親や教師や上司よりも大きな方です。神は、うつ状態や不安、嘆きや悲しみよりも大きな方です。神は、困難な状況や乏しい経済状態、また体を弱らせる病よりも大きな方です。神は、人生を支配する罪よりも大きな方です。神は、その問題がその人に及ばないようにすることもおできになり、またそれを取り除くことも、あるいはそれに向き合うための恵みを与えることもおできになります。

クリスチャンの人生において、神の支配の外にある出来事は何一つありません(1ペテロ 4:12–19)。それがよくわかる例を見たいなら、ヨブ記の第1章をもう一度読んでみてください。

神は、他の人の罪深い言葉や行いに対してさえも主権を持っておられます。イエスはポンティオ・ピラトにこう言われました。「上から与えられていなければ、あなたにはわたしに対して何の権威もありません。ですから、わたしをあなたに引き渡した者に、もっと大きな罪があるのです」(ヨハネ19:11)。

神は善を行われる

神は、ご自分の子どもたちが試練を通ることを許されるとき、そこに良い目的を持っておられます。それらの目的の中には一時的なものもあれば、永遠にわたるものもあります。

「私の兄弟たち。様々な試練にあうときはいつでも、この上もない喜びと思いなさい。あなたがたが知っているとおり、信仰が試されると忍耐が生まれます。その忍耐を完全に働かせなさい。そうすれば、あなたがたは何一つ欠けたところのない、成熟した、完全な者となります。」(ヤコブ1:2–4、強調は引用者による

「私たちの一時の軽い苦難は、それとは比べものにならないほど重い永遠の栄光を、私たちにもたらすのです。私たちは見えるものにではなく、見えないものに目を留めます。見えるものは一時的であり、見えないものは永遠に続くからです。」(2コリント4:17–18、強調は引用者による)

「愛する者たち。あなたがたを試みるためにあなたがたの間で燃えさかる試練を、何か思いがけないことが起こったかのように、不審に思ってはいけません。むしろ、キリストの苦難にあずかればあずかるほど、いっそう喜びなさい。キリストの栄光が現れるときにも、歓喜にあふれて喜ぶためです。」(1ペテロ4:12–13、強調は引用者による)

神は試練の限度を定められる

カウンセリングを受けるクリスチャンは、神が少なくとも二つの方法で試練に限度を設けておられることを理解する必要があります。以下の太字の部分に注目してください。

「あなたがたが経験した試練はみな、人の知らないものではありません。神は真実な方です。あなたがたを耐えられない試練にあわせることはなさいません。むしろ、耐えられるように、試練とともに脱出の道も備えていてくださいます。」(1コリント10:13、強調は引用者による)

時として、人生は行き場がないかのように感じられることがあります。相談者には、まるで壁が迫り、自分を押しつぶそうとしているかのように思えるのです。しかし、もしその人がクリスチャンであるなら、神は、罪を犯さずに耐えられる限界を超えて押しつぶされないように守ってくださると約束しておられます。主は、ご自分の子どもたち一人ひとりがどれほどの誘惑に耐えられるかをご存じであり、それに応じて試練や誘惑を制限しておられます。

さらに、神はクリスチャンに対して、やがてその試練から救い出してくださることも約束しておられます。それがこの世であっても、次の世であっても、神はご自分の子どもたちを誘惑から救い出してくださいます。まさに、「主はこのようにされたのですから、敬虔な者たちを誘惑から救い出」すのです(2ペテロ2:9a )。

相談者は、離婚や自殺、人を操ること、あるいは権力の乱用といった罪深い手段によって、その「箱」から抜け出そうとする誘惑に駆られます。また相談者は、箱の中にいる間の苦しみを紛らわせるために、罪深い方法(薬物、アルコール、ポルノ、自傷行為、拒食など)に走ることもあります。しかし、そのような行為は壁をさらに迫らせるだけでなく、神がご自分の子どもたちをなるべく早くその箱から出そうとしておられる働きを、かえって妨げたり遅らせたりしてしまうことがあるのです。

相談者が自分に問うべきことがあります。時には、あなたが少し促してあげる必要もあるでしょう。「私は、神がこの箱から出してくださるのを忍耐強く待つだろうか。それとも、待ちきれずに罪という“小さなポケットナイフ”を取り出し、神がご自分の正しい方法で私をそこから救い出してくださるのを待たずに、穴を掘って抜け出そうとするだろうか。」

クリスチャンは、神がやがてその箱から出してくださるときに備えて、今その中にいる間も自分を整えておられることを忘れてはなりません。それは、たとえば将来の仕事や人間関係、住む場所、あるいは将来のミニストリーのためかもしれません。あわれみ深い父、すべての慰めの神は、「どのような苦しみのときにも、私たちを慰めてくださいます。それで私たちも、自分たちが神から受ける慰めによって、あらゆる苦しみの中にある人たちを慰めることができます」(2コリント1:4)。

傷ついた相談者の向かいに座り、彼を助けようとしていたそのとき、突然、ここ数年で最も的確で洞察に満ちた助言が、思いがけず私の口から出てきたことを、私は一生忘れません。自分が語っていることに驚きながら、その言葉によって神の御霊が傷ついた友の心に油を注いでおられるのを感じていました。すると、私の目には涙があふれ、心の中でこう祈りました。「主よ、感謝します。数年前、あの恐ろしい試練を通らなければならなかった理由が、今、これまで以上によく分かりました。

拙著『Resolving Conflict: How to Make, Disturb and Keep Peace』(邦題『対立の解決―平和をつくり、乱し、保つ方法』P&R出版)より。

神はあなたの聖化を支配される

これは、相談者がしばしば心に留めておくべき、神の主権のもう一つの側面です。それは、自分の聖化に対する神の支配です。漸進的聖化は神のみわざですが、同時に、私たちがそれに協力するよう求められているものでもあります。しかし神は、この過程において、私たち自身よりも、あるいは少なくとも私たちが思っている以上に、深く関わっておられるのです。

主は私のためにすべてを成し遂げてくださいます。主よ、あなたの恵みはとこしえにあります。あなたの御手のわざをやめないでください。」(詩篇138:8、強調引用者)

「こういうわけですから、愛する者たち、あなたがたがいつも従順であったように、私がともにいるときだけでなく、私がいない今はなおさら従順になり、恐れおののいて自分の救いを達成するよう努めなさい。神はみこころのままに、あなたがたのうちに働いて志を立てさせ、事を行わせてくださる方です。」(ピリピ2:12–13、強調は引用者による)

「そのために、私はこのような苦しみにあっています。しかし、それを恥とは思っていません。なぜなら、私は自分が信じてきた方をよく知っており、また、その方は私がお任せしたものを、かの日まで守ることがおできになると確信しているからです。」(2テモテ1:12、強調は引用者による。エペソ3:20、ユダ24参照)

神はキリストを通して宇宙を形造られただけでなく、今もそれを保っておられるのです。この宇宙には、神の主権から外れて自由に動き回る分子など、一つも存在しません。R.C.スプロールはかつてこう言いました。「もしこの宇宙に、たった一つでも神の主権から完全に自由になって動き回る分子があるなら、神の約束が一つでも成就するという保証はありません。」

あなたが関わる相談者は、神がすべてを支配しておられることを確信しなければなりません。すなわち、自分の人生、置かれている状況、家族、健康、将来、そして自分に関わるすべてのことにおいてです。まさに、神は「祝福に満ちた唯一の主権者、王の王、主の主」なのです(1テモテ6:15、強調は引用者による)。

【翻訳に関する留意事項】 本記事の日本語訳は、認定聖書カウンセラー協会 (ACBC)の許可を得て作成されました。ACBCは本翻訳の作成を承認しておりますが、翻訳の正確性、完全性、あるいは表現の適切性については、一切の責任を負いません。 内容に相違がある場合は、英語の原文が公式な正本として優先されます。原文はこちらからご覧いただけます。

Translation Disclaimer: This translation is produced with permission from the Association of Certified Biblical Counselors (ACBC). While ACBC has granted permission for this translation, they are not responsible for the accuracy or quality of the translation. The original English text remains the official version and can be found here: God is in Control

聖書:新改訳2017 ©2017 新日本聖書刊行会

  • ルー・プリオロ (Lou Priolo) は、米国認定聖書カウンセラー協会(ACBC)のフェローであり、ジョージア州アトランタにあるクライスト・カバナント教会のカウンセリング・ディレクターを務めています。彼は、ACBC認定のトレーニング・センターである、コンピテント・トゥ・カウンセル・インターナショナル (Competent to Counsel International) の創設者でもあります。

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