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インタビュー企画
聖書カウンセリングの働きで大切にしたいこと【後編】
前回に引き続き聖書カウンセラーのバーンズ知恵さんのインタビュー後編をお届けします。今回は、聖書カウンセラーと教会との連携を中心にまとめています。
聖書カウンセラーとして教会で働く
ーー仕えている教会で、聖書カウンセリングの働きをどのようになさっていますか。
知恵さん 私たちは教会をはじめて6年になります。3つの家族が教会を導いていますが、その3家族の他、サポートをしてくれる母教会にも聖書カウンセリングの知識をお持ちの方が多いです。聖書カウンセリングを受けたことがあるとか、カンファレンスにいったことがあるという方が沢山いて、この働きをよく理解してくださっています。そのため、教会の方々は、私が聖書カウンセリングをすることをいつも応援してくれています。
実は、教会の中でフォーマルにカウンセリングをすることは稀なんです。フォーマルな形ではなくて、弟子訓練の延長でよい質問をしたり、心の根っこにある問題を一緒に見たり、苦しみの中にある方と共に悲しみ祈る中で、十字架に希望をおくことを励ましています。聖書カウンセリングでやることと、結局変わらないのです。また、私が日曜学校の教材を作成したり教えたりする時には、なるべく心に迫る質問をするようにしています。その中で子供たちが心にチャレンジされるとよいと思っています。
まだ小さく幼い教会ではありますが、今後、日曜学校の学びとして聖書カウンセリングを取り入れたり、小さなセミナーを開催したりすることを考えています。
ーーありがとうございます。教会のリーダーシップが、聖書カウンセリングについて理解してくださっていることはとても励みになりますね。また、弟子訓練や日曜学校などで、心にチャレンジする質問をすることはすぐに取り組めそうですね。
知恵さん そうですね。個人ができることから始めていくとよいと思います。自分ができること、自分が関わらせていただいている関係は、神様から与えられたものなのです。その関係の中でカジュアルに弟子訓練を実施できたらよいと思います。私は、弟子訓練という言葉があまり好きではないんです(笑)。「私自身も罪人で葛藤しているんだよ」ということを分かち合いながら、共に歩んでいきたいですね。
ーー知恵さんは、これまで様々な形で聖書カウンセリングの働きを担ってこられたと思います。そうしたご経験の中で、聖書カウンセリングは教会の霊的な成長にどのように役立っていると感じていらっしゃいますか。
知恵さん 教会が、福音を大切にすることを助けていると思います。日本の教会では、福音は救われるときに必要なものという意識が強いかもしれません。でも私たちがクリスチャンになった後も、罪のある生活は続きますよね。日々の生活の中で福音がどのように希望を与えてくれるものなのか、そのコネクションが薄い傾向があるかもしれません。日々向き合う人間関係の中で、福音を考えることができているだろうか。毎朝、聖書をきっちり15分読むかもしれない。でも難しい人間関係に直面すると、問題を全て人のせいにしてしまったり、「このような環境でなければ私はこうでないのに」と思ったりする。
教会の一員といえども、まだ罪人であって人生には苦しみもありますよね。聖書カウンセリングを知っていることで、教会生活の中でお互いに歩み寄り、助け合い、戒め合うことをより効果的に実践できると思います。心の問題にフォーカスするため、状況の改善だけではなくて、私たち自身が状況にどのように反応したのかを話し合うことができます。祈りについても、状況の変化だけを祈るのではなくて、キリストのように状況に向き合い祈ることができるようになります。
すぐには難しくても、少しずつそのようなプロセスを歩んでいけるとよいですね。うわべだけの人間関係ではできませんが、よい質問をすることで関係を深めていけますよね。あとは、牧師先生や教会のリーダーが、聖書カウンセリングの知識を得てそれを推奨してくださるとよりよいと思います。例えば、説教を通して聖書カウンセリングのエッセンスを伝えていただいたり、心に焦点をあてた質問をすることでメンバーの霊的成長を促していくことができると思います。
聖書カウンセリングの働きをするときのハードル
ーー知恵さんは、聖書カウンセリングのセミナーで講師をされていたり、他の教会からの紹介でカウンセリングをされることもあり、色々な教会の方と関わっておられると思います。日本で聖書カウンセリングの働きを進めていくにあたり、どのような難しさがあると思いますか。
知恵さん 一番難しい点は、日本で聖書カウンセリングがあまり知られていないことです。例えば、私のもとに来られる方は、すでに心療内科に行って診断を受けていて薬も飲んでいる状態でいらっしゃいます。それも神のご計画のうちなのでそこから始めますが、教会の中でその方をどうケアするかがわからないため、「心療内科にいってみたら?」「メンタルクリニックにいってみたら?」というすすめをされるのだろうと思います。もちろん脳や体調に問題があれば当然そこに目を向ける必要はありますよね。ただ、「心の問題は心療内科で」という意識があるのかなと思います。
また、聖書カウンセリングを受けたいけど、やってもらうなら専門家がいいと思う傾向はあるかもしれません。例えば、牧師先生や聖書カウンセラーの資格がある専門家に、まず相談すべきという意識はあるかもしれませんね。この他、聖書カウンセリング自体は決して新しい考えではないのですが、教会の働きの中によく知らないものを取り入れることへのハードルはあると思います。
教会の霊的成長を助けるために
ーー聖書カウンセリングの働きが、教会の霊的成長をより助けていくために今後どのような取り組みをするとよいでしょうか。
知恵さん まず、信徒の方で聖書カウンセリングのセミナーに来られて「聖書カウンセリングが自分の教会で必要な働きだ」と感じた方向けにお話ししたいと思います。
皆さんにぜひやっていただきたいことは、学んだことを用いて証をシェアすることですね。神様が自分にどのように働かれたのか。自分の心の偶像がどのようなもので、悔い改めてどのように変えられたのか。もちろん聖書が人を変えるのですが、聖書を土台としたカウンセリングを通して、ご自身がどのように心から変えられたのか証をしていただけるとよいと思います。例えば、スモールグループなどの交わりの中で、自分が学び体験したことをお話いただくことが一番効果的だと思います。
次に、フォーマルな形で聖書カウンセリングを行うことについてお話します。私は他の教会の方にもカウンセリングを行っていますが、以前は葛藤を抱えながら進めていました。最初のうちはカウンセリングが終わると不安でした。地域教会との連携なしにやっていたので、終わった後にどうなったのかわからないことがありました。本当の意味で助けになっているのだろうかと悩むこともありました。今では、他の教会の方をカウンセリングするときには、同じ教会の方で信頼できる姉妹にもセッションに同席していただくことにしています。ズームでのセッションが多いのですが、音声オフ、画面オフで同席していただきます。カウンセリーのケアにとても助けになると同時に、「聖書カウンセリングってこういう風に進めるんだ」とか「このようなみことばをシェアするんだ」など、同席される方のトレーニングにもなると思っています。
同席が難しい場合は、カウンセリーと同じ教会の成熟した姉妹に、これまで話したことをカウンセリーからシェアして共に祈っていただく時間を必ず設けるようにしています。2〜3回のセッションが終わるタイミングで実施し、その後のセッションでそれができたかどうかも確認しています。そのような形で進めることができれば、教会の誰かがカウンセリーの弱さや罪の葛藤を知ってくださり、共に祈り歩んでくださることができます。それが教会の本来あるべき姿だと思います。大抵の場合、終了する回に、同じ教会の成熟した姉妹に一緒に参加していただいて引き継ぐことにしています。
ーーありがとうございます。聖書カウンセリングは一定の期間で終わりが来ますが、その後も継続して霊的成長をしていかなくてはならないですよね。それが行われる場所は教会だと思うので、所属教会に接続する形で進められていることが素晴らしいなと思いました。
知恵さん カウンセリングに来られる方は、所属している教会で深い交わりがない方が多いです。教会の方との交わりを促していくことはとても大事なことだと思います。
(おわり)


